EF-SレンズとAstronomikフィルタ改造

Astronomikのボディ内に付けるタイプのフィルタはEF-Sレンズと一緒に使用できません。

なぜかというとこのフィルタはボディ内の、EF-Sレンズを付けるための凹みに付けるからです。

なのでレンズを装着しようとするとレンズ後端のゴムに覆われた出っ張りがぶつかって出来ません。

EF-SレンズというのはAPS-Cサイズのミラーの小ささを利用して、フルサイズ用よりも

レンズを後ろに張り出させた規格です。

もしEF-Sレンズをフルサイズのボディにつけるとミラーと後玉が衝突します。

EF-Sレンズのゴムの出っ張りはそもそもそのような組み合わせで装着できないようにするためのものです。

しかし何とかしてAstronomikのフィルタとEF-Sレンズを併用できないか考えてみました。

レンズの出っ張りだけを取り除いたところで、内側の後玉も張り出しているわけですから

後玉とフィルタが衝突する、と普通は考えます。

しかし、出っ張りの高さとレンズの最も張り出す位置には、数ミリの差があることに気づきます。

つまり、出っ張りがフィルタに当たるけど、それを外すと後玉は当たらない、

という関係である可能性が出てきます。

ということで、出っ張りの部分を切断して短縮してみました。

EF-S改造前

EF-Sレンズ改造後

レンズが一番張り出した状態(18㎜)で撮影すれば分かりやすかったんですが…。

ともかく、出っ張りが短くなり、後玉のみが飛び出すようになりました。

しかし、マウント面からの後玉の距離、マウント面からのフィルタまでの距離を比較すると、

ちょうど接触するんじゃないかというかなり微妙な関係。

なのでさらに次の改良を加えました。

概ねフィルタの構造は次のようになっています。

Astronomikフィルタ断面図

上の面が"Astronomik UV-IR BLOCK"と印刷したシールが貼ってある面、つまりレンズ側です。

これを裏返しに装着することで、僅かにレンズ側の空間に余裕が出ることが分かります。

フィルタ枠の厚さは 2.05[mm]、

フィルタ自体の厚さは 1.17[mm]

でしたので、約0.9mmの余裕ができる計算になります。

結果的には、この裏返し装着によってEF-S18-55mm(キットに付属)は使用可能になりました。

裏返さないでの実験はしていません。怖いので。