スターブック(SX赤道儀)のPEC機能を試してみました。
星が見え始める19時半頃から文化系サークル館が閉まる22時までしか作業ができないので3夜にわたりました。
1日目は完全に失敗で、芝の上に望遠鏡を立てたため三脚が沈下してしまいました。
PEC記録中に赤緯方向のズレがやけに大きいのでおかしいと思い、
極軸を確認するとずれていました。
極軸がずれたことによる追尾誤差というより、沈み込みそのもののによる動きだと思います。
2日目以降はそれを改善するために、近くに落ちていたコンクリートブロックを三脚の下に置いてみました。
その結果地盤沈下は起きなくなり、ようやくPEC機能の検証ができるようになりました。
(以下の画像の撮影条件)
・鏡筒 FC-76(f=600mm)
・カメラ Kiss X2
・露出 8分
・撮影対象はデネブ付近で、だいたい上が西になるようにカメラの向きを設定しています。
・画像の表示は等倍です。
・極軸合わせは専用の極軸望遠鏡を用いています。
・アライメントは行なっていません。
まず、PEC機能を使わないで3枚撮影しました。
1枚目はなぜか乱れており、原因は不明です。2、3枚目が通常の追尾誤差を表していると思われます。
次にPEC機能を動作させて2枚撮影しました。記録は1周期のみです。
PECの記録にはGA-4(24.5)+Or4mmを使いました。
上の画像と比べることでPEC機能により追尾誤差が小さくなっていることが確認できました。
次にPECの記録を1周期で終わらせず、2周期連続でやってみました。
説明書によるとさらに精度を高められるとのことですが、逆に悪化しました。
2周期目の記録の方が修正量が小さくて済むはずですが、逆に大きく感じました。
次にPEC機能ありの1周期分記録で、1つ目と同じ条件ですが、
記録の際に少し許容範囲を広めにして修正回数を減らしてみました。
(手作業なので定量的に表すのは難しいですね…)
その結果今まで一番良い精度で追尾できました。ただ時間がなく再現性の検証はできませんでした。
結論としては、
SX赤道儀
焦点距離600mm
8分間ノータッチ追尾(ノータッチガイド)
という条件で、
・極軸設定は十分な精度を出すことができた。
・地面が固く安定した場所に設置することが必要。
・うまくPECを記録すれば良好な結果となる。
・PECの記録はコツが必要で、修正を細かくし過ぎないほうが良い可能性がある。
最後の画像のようになるのが一番良いのですが、
2つ目の例の画像くらいでも、レデューサーで縮小し、トリミングせずにA4程度の大きさで印刷するならば
それほど気にならないと思いますね。
あと気になるのは、アライメントを行った場合どうなるのかということです。
赤緯モーターが動いてしまい、あまり良いことが起きないような気がしています。