ビクセンは余計なことをしてくれた

T-リングの使い方は2通りあって、1つは内リングのM42P0.75ねじに接続する、

もう1つは外リングを直焦ワイドアダプターなどのテーパー部分に装着する。

もし後者の用途を考えている場合は要注意です。

現在私は天文研の新機材の準備を進めています。

タカハシの鏡筒のために、なるべく純正の撮影用パーツを揃えているのですが、

さすがにカメラマウントの部分は何種類ものマウントを揃えるのには高価で、

しかも純正で存在しないものもあります。(現行品はニコンとEOSのみ)

その点ビクセンのT-リングはほぼ全てのマウントが販売されているので、

それでいこう、と考えて購入しました。

しかし、実際に接続しようとすると、ワイドリング(タカハシ)とT-リングの外リングの径が合いません。

詳しく言うと、EOS用(径の大きい方)の組み合わせはギリギリ入らず、

逆に一般用(径の小さい方)はガタがあるのです。

試しに数年前から所有していたT-リング(EOS,PK)をはめてみたところ、問題なく合いました。

どうやらビクセンのT-リングは寸法が変更されているようです。

実際に測ってみたところ、外リングの内径は、

PK 49.53mm←49.04mm(旧)

Nikon 49.52mm

α  49.01mm

EOS 51.50mm←52.05mm(旧)

4/3 51.49mm 

となりました。ノギスで測っているので0.01mmはあまり意味が無いのですが、

大まかに言って、

PKなどの径が小さいものは約0.5mm大きく、

EOSなどの径の大きいものは約0.5mm小さくなっていると考えられます。

(なぜかαだけ昔のサイズです。)

ビクセンTリングの外リングは本来直焦ワイドアダプターに使用するものですから、

そっちとの接続にも支障が出ておかしくないはずです。

一般用は所有してますので接続してみましたが、新Tリングではやはりガタがあります。

EOS用に関してはどうなのでしょう。

そこで、ビクセンに問い合わせてみました。

回答によると、

寸法の変更はわずかなので直焦ワイドアダプターとの接続に問題は無い。

しかし、個体差により接続できなかった事例はある。

とのこと。

持っていないので分かりませんが、

直焦ワイド(EOS用)はワイドリング(EOS用)よりも小さく作られているとすれば納得がいきます。

ただ、旧Tリングのときに約1mmのガタがあったということになります。

他社製品との互換だけならまだしも、自社製品との接続も怪しくなっているというのは確かでしょう。

結局自分はどうしたかというと、ワイドリング(EOS用)は削りました。

現状では、外径は51.40mmになっています。(削る前は測ってません…)

一般用に関しては、直焦ワイドアダプタと同じくらいガタがありますが、

ビクセンとしてはこの程度のがたつきは問題ない、と読み取れますので、

このまま使おうと思います。

セットビスを締めれば固定されるのですが、旧型がピッタリだっただけに残念です。

もし解決するとしたら旧型を探して買うか、部室にあるものから探す(PK、ニコンならボロいけど多分ある)しかないと思います。

PK用の新外リング+旧内リングを合わせてみると隙間が出来る…。

T-リング